離婚後、ある霊視占い師に言われた言葉――
「あなたには、怒りに満ちた女性の生き霊が憑いています」
その特徴は、どうしても“元妻”を連想させずにはいられないものでした。
彼女との間に起きた数々の対立、交わされた怒号や涙――。それが霊的な存在として、私の中に居続けているのかもしれない。そう思った私は、Amazonで見つけた「生き霊返しのお札」を購入しました。
🪙お札を持ち歩くようになって
そのお札を手にした日から、確かに何かが変わった気がしました。
あの不快な視線、空気のざわつき、説明のつかない疲労感が、少しずつ遠のいていくような――そんな感覚がありました。
「これで、ようやく心が解放されるかもしれない」
そう信じて、私はお札を身につけ続けました。
⏳再び感じはじめた“重さ”
平穏な日々は、数ヶ月続きました。
けれど、あるときを境に、再び心の奥にざわつく気配が戻ってきたのです。
視線を感じる。息苦しい。誰かに“見られている”ような、背中にのしかかるような感覚。

最初は「お札の効果が切れたのかもしれない」と思い、同じものを再度購入しました。
🌀“生き霊ではない”と、私の中の何かが囁いた
ただの勘かもしれない。
でも、確かに“何かが違う”という感覚がありました。
前に感じていたのは、怒りや嫉妬のような「生きた感情」でした。ところが今回は、冷たく、重く、どこか空虚な――“生きていないもの”の気配。
それはまるで、静かに、ただ私を見つめている何か。生き霊ではない、もっと深い闇のような存在。
私はこのとき初めて思ったのです。
🔚祓いきれぬものを背負って――
誰にも相談せず、ただひとりでその感覚を抱えながら、私はそっと日常へと戻っていきました。
理由のわからない倦怠感、理由のわからない孤独。
あの重たさが、今も私の背中に手を置いているような気がする――
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