🏠 離婚後、私は実家に戻った
離婚が成立したあと、私は心も身体もすっかり疲れ果てていました。
ひとりで暮らす余裕などまるでなく、自然と実家へと足が向いていました。家族がそばにいる――それだけで、救われるような気がしていたのです。
とはいえ、静かに過ごせるその空間の中で、不安と孤独は少しずつ広がっていきました。
📱「霊視占い」とスマホで検索した夜
未来が見えない。希望が持てない。そんな気持ちの中で、私はふとスマホを手に取り「霊視占い」と検索していました。
出てきたのは、“恐ろしく当たる”と評判の○○仁という占い師。
口コミはやたらと熱量が高く、驚くほどの数が並んでいました。
半信半疑のまま、掲載されていた番号へ電話をかけると──
「ご予約は3ヶ月先まで埋まっています」
それほどまでに人気なのか?と驚きつつ、私は言われるがまま、その3ヶ月後の予約を入れました。

📍占い当日、指定されたのは“表札のない家”
占いの場所は当日まで非公開。指定された時間に電話をかけ、指示を受けた住所に向かいました。
そこにあったのは、どこにでもあるような新築住宅。インターフォンを押すと、フェミニンな印象の男性が現れました。彼が、噂の○○仁さんでした。
🤔 “霊視”ではなく“対話”だった
占いが始まってすぐに、私は戸惑いを覚えました。
「あなたは、どうしたいんですか?」
「これから、どう生きていきたいと思っていますか?」
まるでカウンセリングのような言葉が並び、心の奥を見るというより、私の口から“考え”を引き出そうとする姿勢ばかり。
極めつけはこの一言。
「たぶん、大丈夫だと思いますよ」
“たぶん”?――私はその瞬間、心の底から力が抜けてしまいました。
60分間のセッションが終了する頃には、「これは霊視ではないな…」という確信だけが残っていました。
🌀それでも、どこかですがりたかった
占いのあと、私は家路を歩きながら思いました。
「金の無駄だったな」
でも、それでも「もしかしたら次こそは」という希望が、かすかに残っていたのです。
心の奥底にある、自分でも整理できない何かを、誰かに見抜いてほしかった。
だから私は、また別の霊視占いを予約しました。今度は、女性の占い師。
本当に視えている人なら、私のこの深い孤独に、手を伸ばしてくれるかもしれない――。
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