※この記事には個人の体験に基づく内容が含まれています。同様の状況で悩まれている方は、信頼できる専門家への相談をおすすめします
🏠「これから」だったはずの我が家で起きたこと
離婚交渉が始まってから、気がつけば2年と3ヶ月という月日が経っていました。
あの頃、我が家はまさに“これから”という時期。
新築の家が完成し、子供たちとの新しい暮らしがようやく始まったばかり。義父母との同居もスムーズにいきそうだと、心のどこかで期待していたのです。
けれど、その幸せはあまりにも脆く崩れ去りました。
家の中で起きた“あの日の出来事”を境に、私の人生は完全に裏返ってしまったのです。
🔁 幸せの清算という名の、果てなき交渉
離婚交渉は、まるで過去をひとつずつ切り売りしていくような日々でした。
何かを取り戻すための戦いではなく、かつての「幸せ」の残骸を整理していく作業――
そこに前向きなモチベーションなどは存在せず、ただひたすら書類に目を通し、無機質に署名し、淡々と“処理”していくだけの毎日。
感情はとうに麻痺し、心は空っぽ。
それでも私が崩れずにいられたのは、弁護士が示してくれた「ゴールまでの地図」があったからです。
💬 精神科医の言葉と、終わりが見えてからの絶望
離婚問題によるストレスで、私は心療内科を受診していました。
その時、先生がこう言ってくれたのです。
「今抱えている障害が解消されれば、きっと心身ともに回復しますよ」
この言葉に、どれだけ救われたか分かりません。
でも皮肉なことに、ゴールが見え始めたその頃から、体調はむしろ悪化していきました。
「あと少し」と思えるのに、心身はもう限界に近づいていたのです。

⚖️ 家庭裁判所、そして“最後の一日”の前夜
いよいよ調停当日が迫ってきました。
すでに離婚条件はほぼ固まっており、争いはありません。
あとは家庭裁判所にて「調停申立書に合意するだけ」――そう聞いていました。
それでも、私の心は張り裂けそうでした。
妻への恨み、裏切られた記憶、そして何より子供と離れて暮らすことへの深い悲しみ。
デパートや公園で笑い合う家族の姿すら、直視できなくなっていました。
「あれが本来の未来だったのに」と思うたび、胸が締めつけられるのです。
📩 弁護士からのメールが届いた夜
調停前夜、弁護士から一通のメールが届きました。
「明日、家庭裁判所の駐車場の前で待ち合わせましょう」
私はスマホの画面をぼんやりと見つめながら、
感情のこもらない指先でこう返しました。
「はい。わかりました。」
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