💡 ギターを弾くことは自分にとってただの趣味だった
ギターを弾くことは、私にとってただの趣味でした。
特別な目標があったわけでもなく、音楽の道に進もうと考えたこともなかった。
仕事に疲れたときや、気分をリセットしたいときに弾く──それが私にとってのギターでした。
だが、ある日ふと考えた。
「このギターの技術を活かす方法はないだろうか?」
このまま、人生の床を這いつくばって生きるのは嫌だ。
自分の可能性が1%でもあるなら、かけてみたい──そんな想いが頭をよぎります。
「もう、やりたいことをやろう。」
漠然とした不安と期待が入り混じるなか、私は少しずつ行動を始める決意を固めていきました。
🎤 ギター講師という選択肢
思い返せば、私は昔、音楽スタジオの受付でアルバイトをしていたことがありました。
そこでは、たくさんのレッスン講師たちと顔を合わせ、言葉を交わす機会がありました。
当時の私は、「ギター講師になるには、すべてにおいてプロフェッショナルでなければならない」と思い込んでいました。
プロの演奏家のように完璧なテクニックを持ち、音楽理論にも精通していなければ人に教える資格はない──そう信じて疑いませんでした。
しかし、ある講師が私にこんなことを言ったのを、今でもよく覚えています。
「それなりの技術と音楽知識は必要だが、自分よりも技術力の低い人に教えることはできるよね?」
その言葉が、心のどこかにずっと引っかかっていました。
確かに、プロ並みの腕前がなくても、初心者やこれからギターを始めたいと思っている人に教えることはできるかもしれない。
完璧を目指すあまり、一歩も踏み出せずにいる自分にとって、その言葉は救いでもありました。
👩🎓 小さなきっかけが生まれる
そんな考えを胸に抱えながら過ごしていたある週末、ボーカルのDさんにその話をしてみました。
すると、思いがけない提案が返ってきました。
「私のお店でイベントやろうよ! 私も音楽をやっているから、うちに来てくれるお客さんの中にもギターをやってみたいっていう人が何人かいるんだよ。参加料無料で、ギター教えますっていう体験会を開いてみたら?」
最初は半信半疑でした。
本当にそんなにうまくいくのだろうか? そもそも、人に教えるなんて私にできるのだろうか?
でも、Dさんはすぐにお店のSNSで告知を始めました。
イベントのタイトルや内容もあっという間に決まり、あとは日程を決めるだけというところまでトントン拍子に進んでいきました。
こんなに早く話が動くとは思わなかった。
それを見た瞬間、胸が高鳴るのを感じました。
同時に、逃げられない状況に自分を追い込むことになったのだと、妙な覚悟も芽生えていました。
✨ 新しい一歩を踏み出す勇気
「本当に自分にできるのだろうか?」
体験会が近づくにつれ、不安が押し寄せてきました。
今まで自分だけの楽しみだったギターが、誰かに伝えるためのものに変わる──それは私にとって未知の挑戦でした。
それでも、Dさんの言葉や行動が、背中を押してくれている気がしました。
こんなふうに私を信じて応援してくれる人がいる。
完璧じゃなくてもいい。
まずはやってみること。
たとえ小さな一歩でも、それが未来への大きな一歩になるかもしれない。
こうして、私はギター講師としての第一歩を踏み出すことを決意した。光が少しだけ見えた気がしました。

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