⚖️ 法律相談、そのリアルな中身とは?
現れたのは、小柄で少し小太りの中年男性。優しげな顔立ちに、どこかのんびりとした空気をまとったC弁護士でした。
C弁護士「今日は、どんなご相談でしょうか?」
そう聞かれて、私は少し戸惑いながらも、口を開きました。
私「……妻に不倫されていて、不倫相手のB氏に慰謝料を請求したいと考えています」
それまでの生活が頭をよぎります。まさか、自分がこういう相談をする側になるなんて――そんな現実にまだ心が追いついていない自分がいました。
C弁護士はうなずきながら、穏やかに質問を重ねてきます。
C弁護士「奥さんには、不倫についてすでに話しましたか?」
私「いえ、まだです。探偵に調査を依頼していて、証拠がそろったら話すつもりです」
C弁護士「では、不倫相手のB氏に会う予定は?」
私「……はい。調査が終わったら、自分で会いに行こうかと」
私の答えに、C弁護士の表情が少し変わりました。声のトーンはそのままでしたが、真剣な眼差しでこう言いました。
C弁護士「何をしに行くつもりですか?」
その一言に、私は少し言葉を詰まらせます。怒りに任せて、感情をぶつけたい。そんな気持ちがなかったとは言えません。
C弁護士は続けます。
C弁護士「不倫となると、感情的になって相手のところへ乗り込んでいく人が多い。でもね、そこで余計なことを言ってしまうと、かえって自分が不利になるケースがあるんです。弁護士を後から入れても、すでにこじれてる話から始めることになる。だったら、最初から弁護士を使ったほうがスマートでしょう? 依頼するタイミングが早いか遅いかで、料金も変わりませんしね」
私はただ、「なるほど……」と頷くことしかできませんでした。
C弁護士「私なら、不倫相手には一切会わず、最初から内容証明で対応します。それが一番冷静で、確実な方法です」
その合理的な言葉に、少し心が落ち着いた気がしました。
私「不倫相手と妻、両方に慰謝料を請求できますか?」
私の質問に、C弁護士は即答します。
C弁護士「それはできません。不倫相手に慰謝料を請求すれば、奥さんには支払い義務はありません。相場としては、離婚に至った場合で200万円くらい。ただ、300万、400万と請求すること自体は可能です。ただし、金額が高ければ高いほど、相手も弁護士を立てて減額交渉してきますけどね」

こうして、あっという間に無料相談の30分は終了。
部屋を出る頃には、少しだけ心のモヤが晴れたような気がしていました。問題は山積みでも、少なくとも“正しい一歩”は見えてきた。そんな手応えだけは、確かにありました。
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