🕵️ 妻の異変に気づいたとき
妻の異変に気づいたとき、私の中に何かが静かに崩れ始めていました。
「もしかして」と思いながらも、決定的な証拠はなく、ただ疑心だけが日々大きくなっていきました。
それでも当初は、まさか弁護士に相談する日が来るなんて、思いもしませんでした。
法律の専門家に仕事を依頼するなんて、人生の中でそう何度もあることじゃない。ましてや、不倫の件で。
どう進めればいいのかもわからないまま、私はとにかくネットで情報を集め始めました。
深夜、誰にも見られないようにスマホを握り、検索ワードを何度も変えながら記事を読み漁りました。
🌐 出会いのきっかけは「弁護士ドットコム」
そこで見つけたのが「弁護士ドットコム」というサイト。
月額数百円、ちょうどコーヒー一杯分程度の料金で、全国の弁護士にオンラインで相談できるというものでした。
このサービスにはとても助けられました。 質問を投稿すると、複数の弁護士が見解を返してくれる。誰にも言えずに悩んでいた私にとって、それは心強い道しるべでした。
🧾 法テラス制度を知る
その中で「法テラス制度」という支援制度の存在を知りました。
一定の条件を満たせば、登録された弁護士に30分×3回まで無料で相談できるというものです。 経済的に不安のあった当時の私には、希望の光のように感じました。
私はすぐに法テラスの事務局へ電話をしました。 弁護士は当番制のため、自分で選ぶことはできないとのこと。それでも、話を聞いてもらえるだけで救われる気がしていました。
🏢 初めての法律相談へ
数日後、事務局から連絡がありました。 「○月○日、○時にC弁護士事務所へ行ってください」と。
その日は、仕事を早退し、指定された場所へと向かいました。 事務所が入っているのは、小さなマンションの一室。エントランスにはオートロックがあり、外からは普通の住居にしか見えませんでした。
インターフォンを押すと、少し疲れたような女性の声が応対しました。 「事務所は3階ですが、4階まで上がってきてください」
少し不思議に思いながらも、言われた通りエレベーターで4階へ。 扉が開くと、先ほどの女性がすでにエレベーターの前で立っていて、「こちらへどうぞ」と丁寧に案内してくれました。
通されたのは、静かな一室。そこには誰もおらず、私はひとり緊張しながら椅子に腰かけました。
しばらくすると、階段から音がして、小太りの中年男性がゆっくりと降りてきました。
「この部屋、階段もあるんだな」――そんなことを思いながら見上げると、その人こそが今日、相談するC弁護士でした。
部屋の中央には重厚な木製の机と椅子があり、空気はどこか張り詰めていました。
弁護士は私に軽く視線を送り、そのまま椅子にどかっと身を預けます。
私はというと、緊張で言葉がうまく出てこないまま、人生初の“法律相談”を迎えようとしていたのです。
コメント