離婚協議が進むなかで、私は妻の“2つの嘘”に気づきました。
そのひとつが、財産隠しです。
協議の過程で、私は財産分与のため、妻が所有しているすべての預貯金口座の通帳コピーを提出するよう求めました。
そして後日、弁護士を通じて届いた通帳の写しを確認していたときのことです。
「……あれ?」
私は違和感に気づきました。
そこには、明らかに“あるはずのもの”が含まれていなかったのです。
具体的には、残高が約400万円ある定期預金の通帳が提出されていませんでした。
家計は長年、妻が管理していました。
おそらく妻は、「この通帳の存在は、夫は知らないだろう」と踏んでいたのでしょう。
だからこそ、財産分与の金額を減らし、自分の手元に少しでも多くのお金を残そうとしたのです。
ですが、甘かった。
私は、別居前にすべての通帳の写真をスマホで撮影して保存しておいたのです。
まさに、この時のために。
当時はまだ離婚を決断する前でしたが、妻の不貞を知った直後から、何かあった時のために証拠を確保しておく必要性を強く感じていました。

すぐに私は、証拠として保存していた通帳の画像を妻側の弁護士へ提示し、未提出の通帳を開示するよう求めました。
その返答は――「忘れていました」とのこと。
忘れていた、で済まされる話ではありません。
そもそも、妻は不貞行為によって家庭を壊した“加害者”であるにもかかわらず、自分の取り分を少しでも多く確保しようとする姿勢に、私はどうしても納得できませんでした。
この一件を通して、私はあらためて痛感しました。
不貞行為が発覚したとき――感情のままに問いただすことは絶対にNGだということを。
怒りや悲しみで衝動的に行動すれば、相手はすぐに“証拠隠し”を始めます。
通帳を処分する、LINEを削除する、証拠になりそうなものはすべて消されてしまう。
私が冷静でいられたのは、決して強かったからではありません。
ただ、子供のためにも、不利な離婚にしないためにも、感情を飲み込んで「準備に徹した」だけでした。
その準備期間は正直つらかったです。
でも、そのおかげで財産隠しという嘘も暴けたし、交渉において主導権を握ることもできました。
しかし――
妻の嘘はこれだけではありませんでした。
もう一つ、決定的な“裏切り”が隠されていたのです。
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